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珊瑚のような水中生物は、始めは岩か植物のように見えますが、他の生物と同様にタンクや膝、カメラなどがぶつかったり、
フィンがあたったり、また手で触れただけで死んでしまう恐れがあるほどの弱い生物なのです。
珊瑚などの水中生物の中には、成育が非常に遅いものがあるということも十分、知っておかなければなりません。
その一部分を壊しただけでも、成育が数十年も止まってしまうこともあります。十分な注意を払うことで、生態系を壊さずに魅力的な水中世界を守ることができます。
環境破壊の多くは、故意に起こるものではありません。珊瑚礁や海底の生物を傷つけないようにゲージや補助空気源をしっかりと固定してください。浮力をコントロールし、体、ダイビング器材、カメラ等が珊瑚礁やデリケートな水中生物に触れ ないようにすることが、水中生物の保護に役立ちます。
 
しばらくの間ダイビングをしなかった場合には、ダイビング技術(特に浮力コントロール)を磨く必要があります。珊瑚礁へ向かう前にも、まず安全なプールなどでダイブマスターやインストラクターと一緒に練習を行ってください。より良い方法として、PADIスクーバ・リビュー、PADIアドヴァンスド・オー プン・ウォーター・ダイバーコース、PADIスペシャルティ・ダイバーコース等の最新の知識、安全ルールと技術を磨くコースへ参加することです。
 
水中には、私達に危害を加える生物が、あまり存在しないことをダイバーならすぐ理解できます。事実、多くの生物は私達を快く受け入れ、好奇心を示してくれます。ダイバーは、馴れるに従い、次第に大胆になり、好奇心から水中生物に 触ったり、エサを与えたり、いたずらしたくなったり、という衝動に駆られたりしますが、そのような行動は生物にストレスを与え、エサを食べたり交尾したり する活動を妨げます。さらに防衛本能から攻撃的にさせたりします。
 
水中生物は、環境への適応によって、私たちが地上で見馴れている生物とは外見が異なる場合が多々あります。多くの生物は、植物か生命のない物体にしか見えません。水中生物をオモチャにしたり、他の生物のエサにしたりすれば、その 水域の生態系が乱れ、他のダイバーが生物を観察したり、写真を撮ったりといった楽しみを奪うことにもなります。
 
人気のダイブ・スポットでも、資源が短期間に枯渇する恐れがあり、そのような地域で珊瑚礁や貝殻の標本を採集すればその地域の魅力や美しさが損なわれます。友人や家族に見せるために持って帰ることのできる唯一の方法は水中写真だけです。
水中世界から生物を採集したいというダイバーがいますが、その場合、正式な 許認可を取得する必要があります。(日本では漁業調整法により全て禁止されています)各地域の法律は、水中生物の繁殖と生存を保証することを目的としています。
ダイバーは、訪れた海、湖、河などが健全な状態にあるかを自ら監視できる、 特別な立場にあります。水中生物の異常な減少、水中環境の悪化、あるいは、異常に気付いた場合は、国、または地域の環境保護機関にご報告ください。
 
ダイバーは、誰かがプラスチックの袋などのゴミを捨てた場合、他人事ではないことを心得ています。そのような結果が何をもたらすのかを知っているのです。他のダイバー、ダイバー以外の人々と積極的に交流し、模範を示してください 。
 
個人ひとりの力だけでは、世界を救うことはできませんが、あなたが住み、ダイビングしているその地域でなら、大きな影響を及ぼすことは可能であり、それは実感できるはずです。海岸清掃活動に参加するとか、海岸地域と海洋資源に影響を与える問題を取り上げた公聴会に出席するとか、水中環境保護への支援を示す機会はたくさんあります。

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