サンゴ礁は私たちの真剣な注意を必要としています。
「海の熱帯雨林」と呼ばれているサンゴ礁は、海洋生物の種の約4分の1の棲家であり、海生態系の多様性を維持する意味で極めて重要なのです。
サンゴ礁という生態系は、約2億年以上生存している、地球上で最も生産的で最も古いものなのです。
その環境上の重要性とは別に、サンゴ礁は、地元の経済、観光事業、漁業、人間の健康など多くにおいて非常に重要なのです。しかし、急速な勢いでこの巨大な資源を私たちは今失っているのです。
科学者の推定では、世界のサンゴ礁の約25%がすでに死滅したと見られています。
もし現在の傾向が続けば、私たちは30年から50年のうちに完全にこの資源を失うと予測されています。しかし、状態は絶望的ではありません。私たちが未来の世代に、これらの多彩な海中公園を保つために、できることがまだたくさんあるのです。
脅威:
土砂 沿岸の開発と賢明でない土地の利用政策による土砂がサンゴの成長に必要な日光を阻害しサンゴにストレスを与え、土壌侵食を引き起こしています。
流出 農地や牧場からの過剰な量の肥料や処理されていない下水がサンゴ礁の環境に流出するとその過剰な栄養分は、サンゴの表面に届く光と水流を減らしサンゴの成長率を遅くして、サンゴの白化(サンゴを白くし、結果的に死滅させるストレス反応)を誘発します。
地球温暖化現象 温室効果ガスの増加とオゾンの枯渇による地球温暖化現象は、海水温を上昇させサンゴ礁の生態系にストレスを与え、サンゴを白化させ死滅させます。
破壊的な漁業行為 サンゴ礁を死滅させるシアン化物などの毒や爆薬を使った破壊的な漁業行為は、サンゴ礁の生態系を生物のいない瓦礫へと変えてしまいます。
汚染 油、石油製品、処理されていない下水、海洋ゴミによる汚染は、サンゴ礁の生命を傷つけます。
落としてしまったもしくは廃棄された漁網 海に残された漁網(ゴーストネット)は、何千という魚やイルカなどの哺乳動物を拘束し、サンゴ礁を窒息させます。
沿岸の開発 事前の環境への影響調査が十分に行われずに実施された沿岸の開発は、多くの生物たちの生育場としての役割を果たしているマングローブの森やアマモの茂った海底などの重要な生態系を破壊します。
|